JKAが成立するまで
戦後50年の節目にあたる1995年、本協会の前身で、コルチャックの子どもに対する基本精神や教えをわが国に広く伝えるために発足した日本コルチャック記念実行委員会(JKMC)は、その後、展示会・講演会・演劇・映画会・セミナー・出版・Webページ公開などを通してコルチャックの生涯や精神を伝えてきました。
IKA(国際ヤヌシュ・コルチャック協会)とも交流を重ねるうち2008年にイスラエルで開催された国際コルチャック会議においては、日本も正式なメンバーとして活動してほしいとの要請を受けました。
2008年11月にIKAの 加盟国として地球規模で一緒に活動を続けていこうとの誘いを受けたのを機に、ようやく日本ヤヌシュ・コルチャック協会(JKA)が発足しました。以下は、これまでの流れを記したものです(T.Fujlii
記)
●1993年1月 日本にヤヌシュ・コルチャックを紹介する活動を開始。メンバー井上文勝(イスラエル在 住)が戯曲「コルチャック先生」を書き上げる。事務局を藤井忠英( フジ編集ブロダクション代 表)が開設。
●同年4 月1995年の戦後50年イベントとして演劇『コルチャック先生』の実現に向け活動開始。朝日新聞が後援としての支援体制。加藤登紀子女史から演劇コルチャック 先生の音楽担当の協力を得る。
●同年5月 事務局長(藤井-当時)イスラエルコルチャック協会を訪問。TBS·撮影クルー同行。イスラエル在住の井上文勝らと合流し、各関連施設を訪問。毎年開かれる、コルチャックの教え子( 生存者)やその家族の集会にも参加。8月にTBSテレビ・ニュスー23(筑紫哲也)で放送。
●1994年5月
JKMCは95年の戦後50周年にコルチャック先生の演劇を実行するため、主催の劇団やバックアップしてくれる団体をプロモートをしていたところ、劇団ひまわりが演劇公演を決
定。朝日新聞社が共催を決定してくれた。コルチャック先生役に加藤剛氏が決定。
●7-8 月
出版事業として、文芸遊人社設立。井上文勝の戯曲「コルチャック先生・ある旅立ち」を出版。コルチャック展示資料として、「コルチャック資斜館」を発行。
東京都日野市(ひの社会教育センター)と中野区(なかのZERO)にて、「コルチャック先生と子どもたち展」を開催。
東京と大阪にて演劇「コルチャク先生」(朝日新聞・劇団ひまわり主催)が公演される。
約1 万6千名の観客を動員。
●8月9日
東京蓼中野区の「なかの小劇場」にて、内戦のため祖国ボスニアに帰れずに日 本で歌い続けるシンガーソングライターのヤドランカさんの協力を得て、コルチャック埻展特別イベント「ヤドランカ平和へのコンサート」(チャリティコンサート)を実施。収益金をサラエポの子どもたち救済のために寄付。
●1995年4月 戦後50年の記念イペントを企画。映像ジャーナリスト山路徹氏らが参画。
●1996年4月
これまで準備段階で使っていた「コルチャック没後半世紀記念実行委員会」の名称を「日本 コルチャック記念実行委員会Jと改め、以後もコルチャック先生をわが国に伝える事業を続行することを決める。
●4月14日 -21日
東京都 渋谷区 のJ CC (ユダヤコミュニテイセンター)にて、「コルチャック先生と子どもたち展」を開催。後援・朝日新聞、協カ・文芸春秋、ポーランド大使館、イスラエル大使館、ドイツ大使館など
。14日のオープニングの日には、諸宗派の 代表者を招き、日本ではじめてのホロコースト追悼記念式典を催した。イスラエル大使、ポーランド大使、ドイツ大使また俳優の加藤剛氏ら出席。
●5 月5- 7日
態本市にて「コルチャック先生と子どもたち展Jを開催。また会期中、同展の特別企画として、1)古川泰龍氏と新保庄三氏による記 念講演開催と、2)アンジェ・ワイダ監督の
映画「コルチャック先生」を上演。
●8月
東京・狛江市のスタジオ「Beフリー」にて「コルチャック先生と子どもた展ち」を開催。
●11月
ドイツ・ケムニッツ市にて、井上文勝氏著書の「コルチャック先生・ある旅立ち」が同市の 高校生によって上演される。
●11月16日-24日
高知県高知市で「コルチャック先生と子どもたち展」を開催。主催は、高知に平和祈念館 を創る会。JKMCが展示資料を提供。
●1997年7月12- 13日
川崎市国際交流センターにてコルチャック先生展を開催。また、特別企画として女子マラソンのオリンピックメダリスト、有森裕子さんの家族写真展も同時開催された。記念講演では、1「)
有森家の子育てとコルチャック先生」(新保庄三氏・子ども総合研究所代表)、2)「コルチャック先生と現代の子どもたち」(金児栄治氏・野毛山幼稚園園長)と題して行なわ
れた。
●8 月5日- 30日
一昨年に引き縞き、東京と大阪で演劇「コルチャック先生」(朝日新聞社・劇団ひまわり共催)が公演される。主役コルチャック先生役、ステファ役は、前回と同じく加藤剛氏と榛名由梨さん。音楽も同じく加藤登紀子さんで、今回はさらに新しい曲もいくつか加わり、観客の感動を呼んだ。
●1998年8月1日- 30日
アンネ・フランク会の展示資料館(現ホロコースト教育資料センター)にて、常設展示と並行して特別企画展示「コルチャック先生と子どもたち展」を開催。学校が夏休み期問ということもあって、全国から多数の見学者が訪れた。
●1999年1月、7月
これまで日本においてコルチャック普及活動をしてきた出版、演劇活動に対して、K氏より翻案件侵害の提訴を受ける(コルチャック裁判)。訴えられたのは、日本コルチャック記念実行委員会の主カメンバーである井上文勝の著書「コルチャック先生・ある旅立ち」(文芸遊人社刊)、また演劇公演をした劇団ひまわり・朝日新聞社、そして演劇をテレビ放送したNHK。これによってコルチャック普及活動は一時停滞を余儀なくされた。
●2000年6 月
イスラエルコルチャック協会・事務局長のアノリック氏が来日。国際コルチャック フォーラム開催など、これからの協力襲係を話し合う。
●2001 年 8 月
コルチャック裁判で「コルチャック先生」の劇団ひまわり新、朝日新聞社、NHKらは勝訴。原告K氏の提訴は棄却される。
●8月-9 月
加藤剛氏の演ずる演劇「コルチャック先生」の公演が劇団ひまわりによって再開される。これまでの東京、神戸に加え、名古屋、新潟でも公演された。新潟では 、子どもおやこ劇場の出演参加もあった。
●1 2 月
コルチャック裁判で「コルチャック先生・ある旅立ち(文芸遊人社刊)」の井上・藤井ら全面勝訴。原告K氏の提訴は全面棄却される。
●2002年9月
コルチャック裁判、高裁の判決にても一審どおり、K氏の控訴が棄却される。
●10月
日野市子どもまつりにて、コルチャックのパネル展示。日野市子どもまつりにて、コルチャックのパネル展示。
●2004年3月
豊島区(東京都)児童福祉計画研究会の主催にて、ワイダ監瞥の映画「コルチャック先生」 の上映と講演を池袋駅の東武メトロポリタンプラザにて開催。
●2005 年 8 月26日
東京学芸大学で開かれた日本教育学会ラウンドテーブルにて、「ヤヌシュ・コルチャックと教育実践」が題材としてとりあげられるJKMC事務局長・藤井が提案 者の一人として「戦後60年とコルチャックの実践」を報告。
●2006年4月
JKMC{日本コルチャック記念実行委員会)藤井事務局長がイスラエルコルチャック協会を訪問。同協会との情報交換、および、子どものためのホロコースト教育施設やコルチャックの展示パビリオンを見学。
●2008年11月
国際コルチャック会議(イスラエルで開催)に井上文勝理事が出席。JKMCを発展させ、国際コルチャック協会のメンバーとしての活動要請を受けた。会議では承認の採決が行われ、全員賛成で可決された。Member
of the International Janusz Korczak Association·・日本ヤヌシュ・コルチャック協会が正式に発足することになった。
最近のJKAの主な活動
●2010 年 8 月
JKAとIKAの主催で国際コルチャック会議を東京で開催。総務省はじめ、多くの関運団体が後援となり4日間の会議は滞りなく終了。世界各国のメンバーから高い評価を得た。今後の積極的な国際参加を期待されている。
●2012年 コルチャック年 ワルシャワを中心に各地で コルチャック年イベント開催 東京・札幌で開催 コルチャック協会によるイベント開催
●2018年 子どもの権利条約総合研究所のポーランド・コルチャックスタディツアーの企画協力・後援
●2019年 子どもの権利条約国連採択30周年を記念して、各種団体企画協力、イベント開催
1) 協会会員 コルチャック教育研究フォーラム主催の企画・協力の研究会
2019.8.6 午後 東京 早稲田大学
研究報告 コルチャックの生涯と子どもの権利―子どもの権利条約国連採択30周年記念―他
2)協会の企画協力
2019年11月14日16:30-19:00 札幌学院大学総合研究所主催「講演と報告の集い」への協力
子どもの権利条約採択30周年によせて日本とポーランド
3)日本ユニセフ協会"子どもの権利条約採択30周年 企画への協力
『unicef news』Vol263 展示・映画上映企画への協力
4)東京・帯広(北海道)・静岡・札幌での各種団体の講演会や学習会での"子どもの権利とコルチャック"に関する会員による講演
●2022年 ◇記念の集い「 コルチャック没後80年を迎えて」の開催
報告第一部.「戦争と子どもの権利」
報告1 第一次大戦後、セーブザチルドレンの活動とコルチャック思想の伝承
報告2 第二次大戦とコルチャック・子どもたち
報告3 コルチャック“ゲットー日記”の訳を試みて
報告第二部 『コルチャックの教育実践』について
2023年度以降の活動計画
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